受動態を学んだあと、多くの学習者が疑問に思うのが状態受動態です。
状態受動態という言葉を聞いたことがない方も多いと思います。
状態受動態は、「~している」という意味になるタイプの受動態のことです。
「~される」となる受動態は動作受動態と言われますが、こちらも浸透していないので
本記事では動作受動態のことを普通の受動態として記載いたします。
「be + 過去分詞なのに、どうして“〜されている”じゃなくて“〜している状態”になる?」
「普通の受動態と状態受動態の違いが分からない」
「The door is closed. は“閉められる”?“閉まっている”?」
実際、生徒さんの中でも
普通の受動態と状態受動態の区別がつかないまま進むケースは非常に多いです。
しかし、状態受動態は本質を理解すればとてもシンプルで
「動作」ではなく「状態」を表す受動態だと分かれば一気に整理できます。
この記事では、普通の受動態との違い・見分け方・例文・よくある誤解まで体系的にまとめます。
普通の受動態についての記事をご覧になりたい方は下記リンクより飛べます☺
受動態とは?
結論:状態受動態は「状態」を表している
普通の受動態(動作)
普通の受動態、つまり「~される」と訳すものは「動作」を表しています。
普通の受動態 → 誰かが何かを「する」
例:The door was closed by the staff.
→ スタッフによってドアが閉められた。
この場合、閉めるという動作が入っていますね。
状態受動態(状態)
一方、状態受動態「~している」と訳すものは「状態」を表しています。
状態受動態 → その結果として「〜している状態」
例:The door is closed now.
→ ドアは今閉まっている。
この場合、閉まっているという状態が入っていますね。
形は同じですが、意味が違うのが最大のポイントです。
状態受動態の特徴4つ
状態受動態の特徴についてみていきましょう。
この記事では4つにまとめています。
① 行為者(by 〜)をつけると不自然
The door is closed by someone now.
→ 今、そのドアは誰かによって閉められています。
このようにすると不自然さが出てしまします。
「誰か」ということをあえて言う必要がある・強調したい場合ならOKですが
わざわざ意味もなく「誰か」とは言わなくてもいいですね。
② 「〜されている」ではなく「〜している状態」
The store is closed today.
→ 今日、その店は閉まっている。(状態)
閉まっているという状態を伝えたい場合、このような文章になります。
③ 時間・状況を表す語と相性が良い
- now
- today
- already
- still
- at the moment など
状態受動態は時間を表す言葉と相性が良く、一緒に使われる傾向があります。
これには3つ理由があります。
(A) 状態受動態は「今どういう状態か」を説明する文法だから
状態受動態は
be + 過去分詞 = 状態(〜している状態)を表します。
状態というのは、
- 今
- 今日
- すでに
- まだ
- この瞬間
などの時間的な幅や状況と結びつくことで、意味が明確にわかりやすくなります。
例
The store is closed today.
→ 「今日」という状況があるから「閉まっている状態」が自然に伝わる。
The door is locked at night.
→ 「夜」という特定の時間帯で「施錠されている状態」が自然に成立する。
(B) 状態は「継続」するものなので、時間情報と相性が良い
状態受動態はある動作の結果が続いている状態を表します。
状態には必ず「継続」があります。
継続には「時間」が必要です。
だから、状態受動態は自然と時間表現と結びつきます。
例
The window is broken now.
→ 今の状態を説明している。
The room is cleaned already.
→ すでに「掃除されている状態」が成立している。
The seats are taken still.
→ まだ「埋まっている状態」が続いている。
(C) 動作ではなく「結果の状態」を強調するため、状況語が意味を補強する
受動態(動作)は
- 誰が
- いつ
- 何をしたか
が重要です。
しかし状態受動態は
- どういう状態か
- その状態がいつ成立しているか
が重要です。
つまり、状態受動態は「状況説明」と相性が良いです。
例
The classroom is prepared for the next lesson.
→ 状態(準備されている)+ 状況(次の授業のため)
The table is set for dinner.
→ 状態(セットされている)+ 状況(夕食のため)
The system is updated at the moment.
→ 状態(更新されている)+ 状況(今この瞬間)
④ 日本語の「〜てある」「〜ている」に近い
状態受動態(be + 過去分詞)は
「誰かが行った動作の結果としてその状態が続いている」という意味を表します。
これは日本語の
- 「〜てある」(意図的な結果の状態)
- 「〜ている」(自然に続いている状態) と非常に近い構造です。
英語と日本語の文法は違いますが、
「動作 → 結果 → 状態」 という流れを表す点で共通しています。
(A)「〜てある」は“誰かが行った結果が残っている”という意味
日本語の「〜てある」は、 誰かが意図的に行った動作の結果が残っている状態 を表します。
例:
- ドアが閉めてある
- 机の上に本が置いてある
- 部屋が片付けてある
これらは「誰かが閉めた/置いた/片付けた」という動作が背景にあります。
英語の状態受動態も同じです。
例:
The door is closed.
→ ドアが閉めてある/閉まっている。
The books are placed on the table.
→ 本が机の上に置いてある。
The room is cleaned.
→ 部屋が片付けてある。
動作の結果が「状態」として残っているという点で一致します。
(B)「〜ている」は“自然に続いている状態”を表す
日本語の「〜ている」は、 動作の結果として自然に続いている状態 を表すことがあります。
例:
- 窓が割れている
- 道が混んでいる
- 店が閉まっている
これらは「誰かが割った」「誰かが閉めた」という動作が背景にある場合もありますが
状態そのものを説明している点が重要です。
英語の状態受動態も同じです。
例:
The window is broken.
→ 窓が割れている。
The street is crowded.
→ 道が混んでいる。
The store is closed.
→ 店が閉まっている。
状態をそのまま描写するという点で一致します。
(C) 英語は「動作」と「状態」を同じ形(be + 過去分詞)で表す
日本語は
- 動作:閉められた
- 状態:閉まっている/閉めてある と形が違います。
しかし英語は be + 過去分詞 という同じ形で両方を表します。
ここが悩みやすいポイントです。
例:
- The door was closed.
(閉められた → 動作) - The door is closed.
(閉まっている → 状態)
日本語は形が違いますが、英語は形が同じです。
この違いがあるので、日本語と英語を一致させようとすると難しくなるんですね。
(D) 状態受動態は「結果の状態」を表すため、日本語の“状態表現”と一致する
状態受動態は
「誰かが行った動作の結果として、今こういう状態になっている」
という意味を持ちます。
これは日本語の
- 〜てある(意図的な結果)
- 〜ている(自然な状態)
と対応します。
【英語表現と日本語表現の表】
| 英語 | 日本語 | 説明 |
|---|---|---|
| The door is closed. | ドアが閉まっている 閉めてある | 結果として閉じた状態 |
| The room is cleaned. | 部屋が片付いている 片付けてある | 結果として整った状態 |
| The window is broken. | 窓が割れている | 結果として壊れた状態 |
| The table is set. | テーブルが準備してある | 結果として準備された状態 |
受動態と状態受動態の違い【例文で比較】
① ドアの例
- 受動態(動作)
The door was closed by the staff.
→ スタッフがドアを閉めた。 - 状態受動態(状態)
The door is closed now.
→ ドアは今閉まっている。
② 店の例
- 受動態(動作)
The store was closed by the owner.
→ 店は店主によって閉められた。 - 状態受動態(状態)
The store is closed today.
→ 店は今日は閉まっている。
③ 窓の例
- 受動態(動作)
The window was broken by a baseball.
→ 窓は野球ボールによって割られた。 - 状態受動態(状態)
The window is broken.
→ 窓は割れている。
状態受動態の例文【カテゴリー別】
カテゴリー別に例文を5つずつ載せています。
例文の中で気になった表現は積極的に覚えていきましょう!
もちろん例文そのままを暗記するのもとても効果的です😊
① 日常生活
- The lights are turned off now.
→ 今、明かりは消えている。 - The dishes are washed and put away.
→ お皿は洗って片付けてある。 - The table is set for dinner.
→ テーブルは晩ご飯のために準備してある。 - The windows are kept closed during winter.
→ 窓は冬の間閉まっている。 - The room is filled with sunlight in the morning.
→ 朝、部屋は日光でいっぱいだ。
② 学校・学習
- The classroom is prepared for the next lesson.
→ 教室は次の授業のために準備してある。 - The homework is already finished.
→ 宿題はすでに終わっている。 - The textbooks are arranged on the shelf.
→ 教科書は棚に整理してある。 - The computers are connected to the network.
→ コンピューターはネットワークに接続してある。 - The chairs are placed in a circle for discussion.
→ 椅子は議論のために置かれてある。
③ ビジネス
- The meeting room is reserved for the afternoon.
→ 会議室は午後に予約してある。 - The documents are attached to the email.
→ 書類はメールに添付している。 - The project is almost completed.
→ 計画はほとんど完了している。 - The files are stored in the cloud.
→ ファイルはクラウドに保管してある。 - The system is currently updated.
→ システムは現在アップデートしている。
状態受動態でよく使われる重要表現
- be interested in 〜(〜に興味がある)
- be surprised at 〜(〜に驚いている)
- be worried about 〜(〜を心配している)
- be satisfied with 〜(〜に満足している)
- be excited about 〜(〜にワクワクしている)
これらは「感情を表す分詞形容詞」として扱われることもあります。
感情を表す分詞形容詞について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
感情を表す分詞形容詞とは?
普通の受動態と状態受動態の見分け方
① by をつけて自然なら普通の受動態
The door was closed by the staff.
→ ドアはスタッフによって閉められた。
これはスタッフが閉めたという事実を伝えたい場合です。
人が閉めたという動作が入っているので、普通の受動態です。
② by をつけると不自然なら状態受動態
The door is closed by someone now.
→ 今、ドアは誰かによって閉められている。
これは、特に「誰か」ということを伝えたいならOKですが、
一般的には省略したほうが自然ですね。
✔ ③ 日本語が「〜てある」「〜ている」なら状態受動態
- ドアが閉まっている
- 店が閉まっている
- 窓が割れている
- 部屋が片付いている
これらはすべて状態受動態として扱われます。
状態受動態のポイントまとめ
- 受動態=動作(〜される)
- 状態受動態=状態(〜している)
- 形は同じ be + 過去分詞でも意味が違う
- by をつけると自然かどうかで判断できる
- 状態受動態は「〜てある」「〜ている」に近い
- ニュース・説明文・日常会話で頻出
- 分詞形容詞の部分と重なる部分もある
いかがでしたか?
この記事が状態受動態について、皆さんの学習の助けになれば嬉しいです。
普通の受動態について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
受動態とは?
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