割合が分からなくなる理由は「計算」ではない
家庭教師をしていると、割合の単元に入ったあたりで、こんな言葉を本当によく聞きます。
割合だけは本当に分かりません
何を掛ければいいのか、何で割るのか分からなくなります
でも、ここで最初にはっきり言っておきたいことがあります。割合が分からない理由は、計算が苦手だからではありません。多くの場合、「何を比べているのか」が頭の中で整理できていないだけです。割合と聞いただけで、なんとなく難しく感じてしまう人こそ、最後まで読んでみてほしいです。
割合は「関係」を表す言葉
割合を一言で表すなら、私はこう伝えています。
割合は、量そのものではなく、量と量の「関係」を表している!
たとえば、
- クラスの20%が女子
- 定価の30%引き
- 全体のうちの3分の1
これらはすべて、ある量を、基準となる量と比べているだけです。ここが分からないまま計算だけを覚えると、割合は一気に「暗記地獄」になります。
家庭教師が必ず聞く3つの質問
割合の文章題に入ったとき、私は必ずこの3つを生徒に問いかけます。
- 全体はどれ?
- 比べている部分はどれ?
- 何を基準にしている?
これを聞くと、生徒は一度止まります。でも、この「止まる時間」こそが大切です。割合の問題は、式を書く前に考えることが9割だからです。
「何%か」より「何を基準にしているか」
家庭教師として特に多く見かけるつまずきがあります。
%が書いてあるから、とりあえず掛けた
これはとても危険です。割合の問題で一番大事なのは、%そのものではなく、基準(もとにする量)です。
- 定価の20%引き
- 全体の30%
- 昨年の売上の1.2倍
どれも、「何を100%としているのか」が違います。ここを意識せずに計算すると、正解しても再現できません。
割合は「式の形」で覚えない
学校ではよく、
- 割合 = 比べる量 ÷ もとにする量
という式が出てきます。もちろんこれは大切です。でも、家庭教師として強く伝えたいのは、
この式を暗記しても割合は理解できないということです。
なぜなら、「比べる量」と「もとにする量」を自分で判断できなければ、この式は使えないからです。
速さ・料金・割合は全部つながっている
ここで、これまでの記事を思い出してみてください。
- 速さ = 道のり ÷ 時間
- 単価 = 料金 ÷ 個数
- 割合 = 比べる量 ÷ もとにする量
実は、やっていることはすべて同じです。分かっている2つの量の関係から、残りの1つを考える。割合だけが特別難しいわけではありません。ただ、基準が見えにくいだけです。
図や言葉にしてみる勇気
割合が苦手な生徒ほど、頭の中だけで何とかしようとします。でも私は、よくこう言います。
いったん、計算はしなくていい。言葉か図で整理しよう!
- 全体はどれくらい?
- そのうちのどの部分?
これをノートに書くだけで、一気に見えるようになることが本当に多いです。
割合が分かると、文章題が怖くなくなる
割合を本当に理解できるようになると、
- 文章題
- グラフ
- 応用問題
すべてに共通する「考え方」が身についてきます。家庭教師として見ていても、割合を越えたあたりから、生徒の表情が変わることがよくあります。
あ、これも同じ考え方ですね
この一言が出たら、数学が「暗記科目」から「思考科目」に変わり始めた合図です。
最後に:割合は思考の分かれ道
割合は、ただの計算単元ではありません。
- 暗記で乗り切るか
- 考える習慣を身につけるか
その分かれ道に立つ単元です。ここで「なぜ?」を考えることをやめてしまうと、この先の数学はずっと苦しくなります。でも、ここで踏みとどまって考え続ければ、数学は確実に見え方が変わります。数学は暗記ではありません。
関係を考え、意味を考え、つながりを考える教科です。
割合の文章題を通して、そのことをぜひ実感してほしいと思います。


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