条件を一つにまとめて考えるという発想
前回の記事では、連立方程式の加減法について書きました。
加減法は「文字を消して考えやすくする方法」でしたね。今回の代入法も、やっていることの本質は同じです。ただし、考え方の方向が少し違います。
代入法は、2つある条件を1つの条件にまとめて考える方法です。
家庭教師をしていると、ここを「加減法ができないときの代わり」のように思っている生徒がとても多いのですが、それは大きな誤解です。この記事ではそんな代入法をどのように考えればいいのかを解説していますので、ぜひ最後まで読んでください。
家庭教師をしていて強く感じること
代入法が苦手な生徒に話を聞くと、よくこんなことを言います。
どこに何を入れればいいか分からない
入れたけど、これで合っているか不安
どのタイミングで代入するのが正解かが分からない
これは計算力の問題ではありません。「代入する意味」が分かっていないそれだけです。
代入法は、ただ数字や式を押し込む作業ではありません。結果的に数字を入れているというだけなんです。
代入法の本当の意味
代入法の出発点は、とてもシンプルです。ある文字がもう一つの文字で表せているということです。
たとえば、
『x = 2y + 1』
と書いてあったら、これはこう言っています。
『x は 2y + 1 と同じ』
ここが理解できていれば、代入は自然な流れになります。これからこんな式が出てきたらそのように読み替えるようにしてください。x が出てきたら、「2y + 1 に置きかえてもいい」それだけの話です。
なぜ代入すると楽になるのか
家庭教師として、ここを必ず言葉で説明します。
代入法の目的は、文字を1つにして考えることを減らすことです。
x と y を同時に考えるのは大変。だから、
- x を y の式にする
- あるいは y を x の式にする
ことで、一つの文字だけの世界を作るのです。これは逃げでも近道でもなく、とても正直な考え方です。そしていつの間にか計算が終わるというスピード感も手にすることができます。
「どっちを代入するか」で迷ったら
家庭教師をしていると、ほぼ必ず聞かれる質問があります。
先生、どっちを代入すればいいですか?
このとき、私はこう答えます。
楽そうなのはどっち?
たとえば、
- x = 〜 の形になっている
- 係数が1で、そのまま使える
こういう式があれば、そこから代入するのが自然です。これはルールではなく、考えやすさを選んでいるだけです。自分がやりやすいと思えるほうで解ければいいのです。
代入法で多いミスの正体
代入法でよくあるミスは、
- カッコをつけ忘れる
- 全体を代入できていない
- 計算だけに意識が向いている
これらはすべて、今、何をやっているか分からなくなっていることが原因です。
代入しているのは、同じものを同じものに置きかえているただそれだけ。この感覚があれば、カッコの意味も自然と分かってきます。
加減法とのつながりを意識してほしい
前回の加減法の記事で伝えたことを、ここでもう一度思い出してください。
- 目的は文字を減らすこと
- 考えやすい形を作ること
代入法もまったく同じです。
- 加減法は「消す」
- 代入法は「まとめる」
方法が違うだけで、考えている方向は同じです。
なぜ代入法を学ぶ価値があるのか
家庭教師として強く感じるのは、代入法を理解できた生徒は、条件を整理して考える力が一気に伸びるということです。
これは、
- 文章題
- 関数
- 高校数学
すべてにつながっていきます。代入法は、「数学的に考える」という感覚を自分の中に作る練習なのです。その感覚が自然に身につけば、代入法は簡単にできるようになります。
最後に伝えたいこと
連立方程式の代入法は、解き方を覚える単元ではありません。
- なぜ置きかえるのか
- なぜそれで楽になるのか
を考える単元です。数学は、計算が速い人が強い教科ではありません。状況を整理し、条件を一つずつまとめていく教科です。
代入法は、その「思考の型」を身につける大切な一歩です。前回の加減法と合わせて、ぜひ「今、何を簡単にしようとしているのか」を意識しながら取り組んでみてください。
それができたとき、連立方程式はただの計算問題ではなくなります。ひとつずつ考えて解くということが意識できれば数学に必要な思考力が身についてくるはずです!


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