式の値と数量関係を本当に理解するということ
この単元に入ると、多くの中学生がこう思います。
あ、これは簡単そう
文字に数字を入れて計算するだけでしょ?
家庭教師をしていると、この言葉を本当によく聞きます。確かに、表面だけを見ると難しくはありません。でも同時に、この考え方のまま進んでしまうと、後で必ずつまずくということも、何度も見てきました。
家庭教師をしていると分かる「できている」と「分かっている」の差
式の値を求める問題が解けている生徒でも、次のような場面になると急に止まってしまうことがあります。
- 条件が少し長くなる
- 表現の言い回しが変わる
- 数字がそのまま与えられない
すると、
先生、どこに何を入れればいいか分かりません
という質問が出てきます。
これは計算ができないわけではありません。「その式が何を表しているのか」を考えていないだけです。
文字は「代入するための記号」ではない
ここで、家庭教師として一番強く伝えたいことがあります。文字は、数字を入れるための空欄ではありません。
文字は、
- まだ決まっていない数
- 場面によって変わる数
- 数の関係をまとめるための記号
です。
たとえば、
- a 円の品物を 3 個買う
→ 3a
この式は、「あとで a に数字を入れるため」にあるのではなく、「この場面の数量関係をそのまま表している」のです。
数量関係を考える力が、この先を支える
家庭教師をしていると、文章題や方程式で伸びる生徒には共通点があります。
それは、
この式って、何を表しているんですか?
と考えようとする姿勢です。
逆に、
これって代入する問題ですか?
と聞いてくる生徒は、数学を「作業」として見てしまっています。この単元は、数学を作業にするか、思考にするかの分かれ道だと本気で思っています。是非思考していくという姿勢を持ち続けて下さい。
式の値を求める前に、必ずやってほしいこと
式の値を求める問題を見たとき、すぐに数字を代入する前に、ぜひ一度止まってください。
そして、
- この式は何を表している?
- 数字を入れたら、何が分かる?
これを日本語で考えてみてください。この一手間を惜しまない生徒は、多少難しい問題でも自分で立て直せるようになります。
「なぜこの式になるのか」を考える癖をつける
家庭教師として指導していると、成績が安定する生徒は必ずこう言えるようになります。
この式は〜を表していて
だからこの数字を入れます
ここまで言葉で説明できていれば、計算ミスをしても立て直せます。自分でなぜ計算ミスしてしまったのかを説明できるようになるからです。でも、
とりあえず入れました
という状態だと、間違えた理由も分からず、同じミスを繰り返します。
この単元が後の数学につながる理由
式の値・数量関係の考え方は、
- 方程式を立てる
- 関数を理解する
- 応用問題に取り組む
すべての土台になります。ここで「考える」ということから逃げてしまうと、どこかで必ず行き詰まります。逆に、ここでしっかり考える癖がつくと、この先の数学は驚くほど楽になります。
最後に伝えたいこと
家庭教師をしていて一番うれしい瞬間は、生徒がこう言ってくれたときです。
数学って、考えると面白いですね
式の値を求める問題は、そのきっかけになる単元です。
数学は、覚えたことを当てはめる教科ではありません。状況を考え、式で表し、その意味を理解する教科です。
この単元で、ぜひ「数字を入れる前に考える」習慣を身につけてください。それが、これからの数学を支えてくれます。


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