【解説】『乗法公式』の分かりやすい考え方

中学数学

(a+b)(a−b) が教えてくれる大切な考え方

中学2年生の数学で、多くの生徒が一度身構える単元があります。それが乗法公式です。

覚えることが多そう
公式が急に出てきた
暗記しないとダメなやつだ

家庭教師をしていると、こうした声を本当によく聞きます。確かにこの単元には、覚えて使う公式が登場します。でもだからといって、暗記だけに頼る勉強が正解かというと、私はそうは思いません。じゃあどのように勉強していけばいいのかについて、この記事で解説していければと思っています。


なぜ公式があるのかを考えてほしい

たとえば、よく出てくる形の一つ。

(a+b)(a−b)

多くの生徒は、
これを見た瞬間に

a²−b²

と反射的に答えます。

もちろん、それで正解です。でも私は、そこで一度だけ聞きます。

どうしてそうなるか、説明できる?

ここで言葉が止まる生徒は多いです。これは決して能力の問題ではありません。「考える前に覚えてしまった」だけです。


公式は「近道」なだけ

乗法公式は、いきなり空から降ってきた魔法ではありません。本当は、

・単項式×多項式
・多項式×多項式

丁寧に考えた結果が、公式としてまとめられているだけです。
(a+b)(a−b) も、一つずつ展開すれば、

  • a×a
  • a×(−b)
  • b×a
  • b×(−b)

という流れが見えてきます。途中を理解していれば、公式は「覚えるもの」ではなく、「納得できるもの」に変わります。


家庭教師として感じる一番の分かれ道

この単元で差がつくのは、計算力ではありません。公式をどう扱っているかです。

  • ただ丸暗記して使っている生徒
  • なぜそうなるかを一度考えた生徒

後者の生徒は、少し形が変わっても対応できます。前者の生徒は、公式の形から少しでも外れると、途端に手が止まります。皆さんにはぜひ、後者の生徒になってほしいのです。


覚えることと考えることは対立しない

「暗記はダメ」と言いたいわけではありません。実際にやっていくといつかは覚えてしまうものです。正直に言えば、覚えたほうが楽な場面もあります。でも大事なのは順番です。

  1. 一度は自分で展開してみる
  2. なぜこの形になるかを理解する
  3. そのうえで公式として使う

この流れを踏むだけで、公式は敵ではなく、頼れる道具になります。公式を間違えて覚えてしまう可能性もゼロになります。


間違えやすい生徒の共通点

家庭教師をしていると、乗法公式でミスが多い生徒には共通点があります。それは、

形だけを見て判断しているということです。符号や項の数を深く考えずに当てはめてしまう。
すると、

  • 符号ミス
  • 項の抜け
  • 似た公式との混同

が一気に増えます。


「使っていい理由」を持ってほしい

私は生徒によくこう伝えます。

この公式は何も考えずに使っていいものじゃない、一度は理由を知ってほしい

理由を知っていれば、自信をもって使えます。そして、自信がある計算は、ミスが少ない。


乗法公式は思考のトレーニング

この単元の本当の価値は、答えを早く出すことではありません。

  • 形を見て
  • 中身を想像して
  • 適切な方法を選ぶ

この力は、これから先の数学すべてにつながります。


まとめ:暗記の先にある数学へ

乗法公式は、「覚えるしかない単元」ではありません。考えた人が、楽をするために作った道具です。だからこそ、

  • なぜ成り立つのか
  • どうして便利なのか

を一度でも考えてほしい。数学は、答えを出す教科ではなく、考える力を育てる教科です。
乗法公式は、そのことをはっきり教えてくれるとても大切な単元だと、家庭教師をしていて強く感じています。

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