【解説】『連立方程式』個数の文章題

中学数学

「個数」は簡単そうに見えて、実は一番ズレやすい

連立方程式の文章題の中で、多くの生徒がこう言います。

個数の問題ならできそうです
数が出てくるから分かりやすいですよね
自分なりに考えて、イメージが持てます!

確かに、速さや割合に比べると、「物の数」を扱う個数の問題はとっつきやすく見えます。でも家庭教師をしていると、この分野で意外と長く立ち止まる生徒が多いことを、身をもって感じます。

理由ははっきりしています。個数の問題は、式を立てる前の整理が甘いと、一気に崩れるからです。この前提をしっかりと理解するためにもこの記事を最後まで読んでください。


個数の問題は「状況整理」がすべて

個数の文章題で一番大切なのは、計算でも連立方程式の解き方でもありません。

今、何が何個あって、それがどう変わったのか?

これを頭の中で、もしくはノートの上で、正確に整理できているかどうか。家庭教師としてよく見る失敗例は、

  • 増えたのか、減ったのかが曖昧
  • 合計なのか、差なのかが曖昧
  • 最初の状態と後の状態が混ざる

こうなると、どんなに計算が得意でも正解にはたどり着けません。


xとyは「数」ではなく「意味」を持っている

個数の問題でよくある指導場面です。

xは何にする?

と聞くと、

とりあえずxはりんごの数で…

と答える生徒がいます。ここで大切なのは、「とりあえず」にしないことです。xやyは、ただの記号ではありません。

  • どの時点の個数なのか
  • どの種類の個数なのか

そこまで含めて、意味を持ったx・yとして使わなければいけません。ここを曖昧にすると、式は立っているように見えて、中身がズレていきます。


家庭教師が必ずやる「図にする」作業

個数の問題が苦手な生徒ほど、文章を一気に式にしようとします。でも私は、ほぼ必ずこう言います。

まず、図にしよう!
箱でも線でもいいから書いてみよう!

  • 最初の個数
  • 増えた分
  • 減った分
  • 合計

これを視覚的に整理すると、生徒自身がこう言い出すことがあります。

あ、ここ足してますね
ここ引いてますね

この瞬間、数学が「考えるもの」になります。


個数の問題は「文章を式に翻訳する練習」

個数の文章題は、連立方程式の集大成のような分野です。

  • 速さのように関係を考える
  • 料金のように条件を整理する
  • 割合のように基準を意識する

そのすべてが詰まっています。家庭教師をしていても、ここを丁寧に乗り越えた生徒は、その後の文章題で明らかに強くなります。


「解けた」より「説明できた」を大事に

個数の問題で本当に理解できているかどうかは、この質問で分かります。

なんでこの式になるの?

ここで、「こういう解き方だから」ではなく、状況を言葉で説明できるかが大切です。説明できない場合、それはまだ暗記に近い状態です。


個数は優しい顔をした思考問題

個数の文章題は、数字も言葉もやさしく見えます。だからこそ、

まあいいや

と流してしまいがちです。でも実際は、一番「考える力」を試される分野です。
家庭教師をしていると、ここを丁寧にやった生徒ほど、後で伸びることを何度も見てきました。


最後に:ここまで来たあなたへ

連立方程式の文章題を、ここまで一つ一つ考えてきたあなたは、もう気づいているはずです。
数学は、

  • 公式を覚える教科ではなく
  • 手順をなぞる教科でもなく

状況を整理し、関係を考える教科だということに。個数の問題は、その集大成です。簡単そうだからこそ、立ち止まって考えてください。
数学は暗記ではありません。考えることから逃げなかった人だけが、本当の力を身につけられる教科です。
この分野を、「最後だから」と流さずに、ぜひじっくり向き合ってみてください。

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